10月29日からJAL(日本航空)が、羽田〜ロンドン線を1往復増便しました。この増便されたフライトのうち、羽田発ロンドン行きのJAL041便は、羽田空港を深夜02:45に経ち、ロンドンに06:25に到着します。

このフライト、出発時刻だけを見ていると、過酷に見えてしまいますが、その実態は利用者に寄り添ったものとなっているので、その特徴を紹介します。

目次

  1. フライトの概要
  2. 他のフライトとの違い
  3. まとめ

フライトの概要

今回紹介するフライトは、JAL041便です。このフライトは、羽田発ロンドン行きで、羽田を真夜中の2:45に出発し、ロンドン・ヒースロー空港に6:25に到着します。また、利用する機体は、ボーイング787-8となっています。JALの公式サイトによると、この便では、JAL SKY WIDER Ⅱというシートを搭載しており、エコノミーでは横2-4-2の8席を配置し、シートピッチも現行の79cmから+5cm拡大となる84cmを実現しています。

実際に乗ったわけではないですが、広々とした空間を実現していると思います。また、横の配列が2-4-2ということなので、窓際の席になったとしても、トイレに行くときに移動してもらうのはⅠ人だけとなります。今までの3-3-3配列の場合、一番窓際の席でトイレに行こうと思ったら、2人の人に立ってもらう必要があり、困難を極めます。しかし、横2-4-2の配列なので、どの席になったとしても、1人の方に席を立ってもらうだけでトイレに行くことができます。

他のフライトとの違い

他のフライトとの一番の違いは、この出発時刻の遅さです。とはいえ、この時間に出発するからこそ、ロンドン・ヒースロー空港に6:25に到着できるわけで、結果としてロンドンからのヨーロッパ域内の乗り継ぎの利便性を実現しています。

このフライトのすごいところは、デメリットである羽田空港を出発する時間の遅さを払拭するようなサービスを提供している点です。そのサービスはいろいろありますが、主要なものから順に見ていきましょう。

離陸後の機内食は提供しない

出発時刻が2:45だと、水平飛行に移って機内サービスが提供されるのは、早くても3:00以降だと思います。しかしながら、国際線で時差の多いフライトだといっても、そんな時間に機内食が提供されても迷惑ですよね。ということで、このフライトでは、離陸直後には一律の機内サービスは提供せずに、搭乗者がゆっくり寝る時間を確保できるようになっています。

とは言っても、飲み物やスナックなどが欲しい人もいると思います。そのような方はCAさんを個別に呼ぶことで、飲み物・スナックが提供される仕組みになっているようです。

深夜のフライトということで、離陸直後の機内サービスを行わないことで、搭乗者の方もゆっくり寝ることができますし、客室乗務員の方もゆっくりできるのではないかと思います。

ビジネスクラス・ラウンジを利用可能

離陸直後の機内食が出ない分を、JALがどうカバーするのか気になります。その方法は、なんと本来であれば上級会員または上級クラスの方しか入室できないビジネスクラス・ラウンジを利用してもらって、ラウンジ内で食事を採ってもらうという解決策です。とても太っ腹なサービスですね。

と思いましたが、JALとしてもその時間帯のフライトは、JAL041便だけになります。しかしながら、上級会員・上級クラスの方のことを考えると便数が少ないからといって、ラウンジを閉館にすることもできません。となると、通常の利用ルールに沿う形でラウンジをオープンさせると、数人の上級会員・上級クラスの搭乗者のためにラウンジ開けておき、多数のエコノミークラス搭乗者は搭乗ゲート付近の待合室で待っていただくことになります。

であれば、「離陸後の機内食を提供しない」ためにも、この余ったラウンジスペースをエコノミークラス搭乗客にも開放して、ラウンジ内で食事を採っていただき、深夜フライトに備える、というのは妥当な気がしてきます。

とはいえ、エコノミークラス搭乗客のラウンジ利用には一定のルールが設けられています。そのルールには、

  • ラウンジの受付開始時刻は23:30以降
  • サクララウンジ5階のみが利用可能
  • お食事は、JAL特製ビーフカレー、スープ、パンなどの軽食を用意
  • アルコール類は、ビール、ワイン、日本酒のみの提供
  • シャワールームは利用不可

などがあります。シャワールームのような、数が限られた施設については上級会員・上級クラスの方のみ、ということでしょう。

平和島温泉の利用


「エコノミークラス利用者によるJALサクララウンジでのシャワールームの利用は不可」と書きましたが、そこはちゃんとフォローしているようです。該当便の搭乗者の方は羽田空港からバスで20分程度の場所に位置する「平和島温泉」を無料で利用できるようです(要予約)。

平和島温泉の場所は、下記の地図のようになります。

また、平和島温泉から空港までは、該当便の搭乗者の方向けに、下記のスケジュールで空港までのバスが運行されています。こちらも予約が必要ということで、ご利用する際はご注意ください。

便 温泉出発時刻 空港到着時刻
1便 0:20 0:40
2便 1:10 1:30

まとめ

深夜2:45発のロンドン行きということで、過酷そうに見えるフライトスケジュールですが、温泉利用やJALサクララウンジの利用、離陸後はすぐに睡眠することができる、と考えると悪くなさそうなフライトですね。

これを利用するなら、住んでいる場所にもよりますが、

  • 21:00ごろまで家で家でゆっくり過ごす
  • 22:30ごろに平和島温泉に移動
  • 22:30〜0:00で温泉を満喫
  • 0:10〜0:40で空港まで移動
  • 0:40〜1:30で搭乗手続きなどを終わらせる
  • 1:30〜2:30でJALラウンジを満喫
  • 2:30〜搭乗開始

のような形でフライトできそうですね(バスのスケジュールがもう少し早ければラウンジをもっと満喫できるのですが)。