12月上旬からANAがソフトバンクのMVNOを利用して、「ANA Phone」を発売する、というニュースが出てきました。騎手は、ソニーモバイルの最新スマートフォンである「Xperia XZ」を準備し、11月2日から予約が開始されます。
そんなANA Phoneはどのくらいマイルが貯まるのか、興味を持っている陸マイラーの方は多いと思うので、少し詳しく調べてみました。
すでに、ANAのホームページにて公式の情報が出ているようです。
マイルが貯まるスマートフォン「ANA Phone」 | ANA
上記サイトの「料金プラン別一覧表」が重要な項目となります。この表を見るとマイルの獲得は
- 月ごとのプランに応じた付与
- 2年間の搭乗ボーナス
に分けられるようです。では、これらを順に見ていきたいと思います。
月ごとのプランに応じたマイル付与
上記のANA公式情報から、気になる月々のスマートフォン利用料に応じて付与されるマイルを抜き出すと下記のようになります。
プラン | 容量 | 月額通信量 | 付与マイル | 付与率 |
---|---|---|---|---|
スマ放題(PT) | 2GB | 6,500円 | 300マイル | 4.6154% |
スマ放題(PT) | 5GB | 8,000円 | 500マイル | 6.2500% |
スマ放題(PT) | 20GB | 9,000円 | 500マイル | 5.5556% |
スマ放題(PT) | 30GB | 11,000円 | 600マイル | 5.4545% |
スマ放題ライト(PT) | 5GB | 7,000円 | 300マイル | 4.2857% |
スマ放題ライト(PT) | 20GB | 8,000円 | 350マイル | 4.3750% |
スマ放題ライト(PT) | 30GB | 10,000円 | 450マイル | 4.5000% |
スマ放題とスマ放題ライトの違いは、
- スマ放題は、24時間すべての国内通話が定額料金内
- スマ放題ライトは、1回の通話が5分以内なら定額料金内(5分超過後は、20円/30秒)
ということです。
この料金表から考えると、MVNOであるが格安SIMとはまた違った方向性のように思います。楽天モバイルなら、スマ放題ライト5GBに当たるプランが2,150円で利用可能なので、楽天モバイルと比べると約5,000円高いプランとなります。
通常のMVNOと違い料金が高い部分の理由が知りたいところです。もし、MVNOを使っているが、他の格安SIMで使っているMVNOよりも品質の高いものを割り当ててもらっている結果として高くなっているのであれば、問題ないと思いますが、他の格安SIMと同程度の品質だとしたら、楽天モバイルやmineoなどの格安SIMを使って浮いた分を他のマイル獲得活動に当てた方がおトクと考えられます。
さらには、ほとんどのMVNOは自由に解約することができますが、ANA Phoneのプランの場合は、2年単位の契約となっており、更新月以外での解約には9,500円が必要なので、注意が必要です。
現時点では、
ソフトバンク、DoCoMo、auのキャリアのスマートフォンを使っているユーザーで、MVNOに切り替える予定がない人(品質にこだわる人)であれば、ANA Phoneは1つの選択肢に残る。しかし、現時点でMVNOを使っている人やMVNOを検討している人が、マイルのためにANA Phoneを利用するのは無駄が多い
と考えられます。
また、3年目以降になると付与率はさらに半分以下になります(おそらくその頃には、また別のプランが出てマイルが稼げるようになっているとは思います)。
2年間の搭乗ボーナス
これはすごいですね。マイル付与される運賃クラスで搭乗すると、搭乗ボーナスとして1回あたり4,000マイルがもらえるというもの。しかも、どのプランを利用していても1回あたりの付与されるマイルは変わらないようです。欠点としては、最大5回と言っていますが、搭乗ボーナスがもらえる回数は利用するプランによって変わってきます。利用するプランが5GBであれば、搭乗ボーナスは3回までの付与となってしまいます。
現時点での判断
まだ情報が十分に出ていないので、判断するのは難しいですが、もし自分がANAマイルを貯めるためにANA Phoneを利用するのであれば、
- ANA Phoneをスマ放題30GBプランで加入
- ANAへの搭乗を1ヶ月に5回行う月をなんとかして作る(旅行や出張が重なるタイミングで)
- 搭乗ボーナスが付与されたら解約手数料を払って解約する
という戦略をとると思います。
加入3ヶ月以内の搭乗ボーナスマイルの付与は4ヶ月目になる、ということなので少なくとも4ヶ月は契約を続けることに注意してこの戦略の費用対効果を見ていきます。
- 費用について
- 契約手数料: どこにも記載されていないので一旦3,000円で計算
- 月額利用料: 11,000円/月を4ヶ月分で44,000円
- 解約手数料: 9,500円
- ANAへの搭乗に必要な航空券は一旦無視
- スマートフォンの購入代金は利用後も後に残るものなので一旦無視
- 獲得マイルについて
- 月々マイル: 600マイル/月を4ヶ月分で2,400マイル
- 搭乗ボーナス: 4,000マイル/回を5回分で20,000マイル
となり、まとめると 費用: 56,500円の費用で、獲得マイル: 22,400マイルとなり、**マイル付与率: 39.6460%**を実現できそうです。
さらにANA Phoneを利用する4ヶ月間の間、今まで使っていたスマートフォンの利用料金をストップさせたりプランを一時変更することができれば、実質的な費用を抑えることができ、マイル付与率も50%を超える可能性が出てきます。
まとめ
不確定要素が多い中での試算となりましたが、いくつかの前提条件をクリアできれば20,000マイル超えを獲得できる可能性が十分にありそうですので、今後も情報を収集するのが良さそうです。