陸マイラーの中には、数10万マイル保有している人も多くいると思います。しかしそれは世の中の全体のごく一部に過ぎません。ほとんどの人はマイルを貯めていなかったり、貯めていたとしても数千マイルのみというのが現実です。

そうなると疑問に思うのは、世の中の人のうち、どのくらいの人がマイルを貯めているのか、また保有しているマイルはいくつくらいなのか、などです。ということで、今回は「Googleサーベイ」を使って1,500人の方にマイル保有状況をアンケートしましたので、そのアンケート結果について分析したいと思います。

Googleサーベイとは

GoogleサーベイはGoogleが提供するオンラインの市場調査ツールです。マーケターの中には「数百人・数千人に対して、市場アンケートを取りたい」時がよく発生します。そして、どのようにそれを行うのが良いか悩む人がほとんどです。Twitterのフォロワーに対して、アンケートを投げる、みたいなやり方だと、アンケート対象者が偏ってしまい、アンケートとしての意味をなさないケースも多々あります。Googleサーベイはそんな悩みを解決するためのツールです。

Googleが保有する回答者パネルに対し、短期間でアンケートを行うことが可能です。また、アンケート項目とは別に、Googleによる類推データなどを利用して「都道府県」「年齢層」「性別」と行った情報を加えたアンケート結果を手に入れることができ、Googleサーベイの管理画面上でクロス集計を行うことも可能です。Googleが保有する回答者パネルを利用するので、自身のTwitterのフォロワー数などのような偏りを減らすことができます。

今回のアンケート設計

今回のアンケートでは、年齢や性別での絞り込みは一切行わずに、日本在住の日本人の方、1,500名を対象にアンケートを実施しました。実施したアンケートの内容は以下の1設問となります。

あなたのマイル保有状況を教えてください(マイルは、ANAやJALなどの航空会社のマイルを指します)。複数の航空会社のマイルを保有している場合は、もっとも多い航空会社のマイルについて回答してください。

Googleサーベイの料金設計の都合上、設問が2問以上になるとアンケート回答単価が一気に高くなるので、1問だけの設問で実施できるときは1問で実施するのがおすすめです。今回は、1,500件の回答を集めるのにかかった費用は、17,820円でした。

また、1,500件の回答を集めるのに要した日数は、わずか4日間程度となりました。TwitterやFacebookのアンケートでは回答者のパネル属性が偏ってしまいますし、その他の外部のアンケートツールを使うともっと高額な費用になってしまいます。

パネル属性の偏りを減らした状態で、1,500件の回答をわずか4日間で収集するのに17,820円 と考えると安く感じます。

アンケート結果の分析

想像通りの結果ですが**「マイルを一切貯めていない」という人が最多の80%超え**となりました。また、「保有しているが5,000マイル以下である」という人が8.9%おり、「マイルを一切貯めていない」という人と合わせると、90%を超える人が5,000マイル以下のマイル数しか保有していない(保有していない人は0マイルと換算)ことになります。5,000マイルという数字は、ANAであれば近距離路線(0-300マイル区間)のローシーズンにおいて片道の特典航空券を発券するのに必要なマイル数(つまり、現段階で利用可能な特典航空券でもっともマイル数が少ないもの)となり、90%を超える人がこの5,000マイル以下なので、特典航空券の恩恵を受けられません。

ANAが新しく行うマイレージ・サービスである「トクたびマイル」は制約こそ多いものの3,000マイルで国内旅行ができるものなので、保有マイル数5,000マイル以下の方々の強い味方になることでしょう。

母集団が少ないので、有為な結果とは言いにくいですが、年齢別ではまた面白い結果になりました。

50,000マイルを境目に若年層の比率が大きく変わっています。特に、100,000マイル以上保有している人の割合は、34歳以下が約45% となっており、中高年の層が少なくなっています。このマイル数をフライトで稼ごうとすると、よほどのたくさんの海外出張を経験している人でないと難しいです。これは、100,000マイル以上保有している人のほとんどは陸マイラーであることを意味していると考えられます。

一番驚いたのは、100,000マイル以上保有している人の割合の高さです。2%というと少ないと感じてしまいますが、10万マイルというハードルの高さを考えると2%は十分大きな数字です。首都圏で運行されている電車をイメージしてみてください。電車の1両あたりの定員が160名ほど、ラッシュ時には200人程度は乗車します。2%という数字は、この1車両の中に4人ほど、10万マイル以上保有している計算になります。10万マイルという普通に考えると高いハードルを考えると、2%が大きな数字だと思いませんか?

また、5,000〜50,000マイルの帯域に多くを占めているのは、35歳以上の中高年でした。このマイル数の場合、国内線のフライトをある程度重ねていれば貯まる規模になるので、おそらくこの帯域の方々は、国内出張や単身赴任などで頻繁に飛行機に搭乗している人が多いと思います。

まとめ

今回は、Googleサーベイを用いて、マイルの保有状況に関するアンケートを行った結果を紹介しました。アンケートを通して、

  • 10万マイル以上保有している人は、全体の2%程度存在すること。
  • 80%以上の人は、マイルを一切貯めていないこと。
  • マイルを貯めていない人も含めて、90%以上の人は特典航空券を利用できるほどのマイルは持っていないこと。

などが分かりました。