電気・ガス代や水道代、電話代などの公共料金の支払いは、毎月継続して発生します。こういった支払いは、ポイントの貯まるクレジットカードの出番です。通常の日常生活の支払いについては現金派の人でも、公共料金についてはクレジットカードで支払っている、という人も多いのではないでしょうか。

しかしながら、公共料金の支払いについては、付与されるポイントが減額されているクレジットカードも多く存在します。本記事では、マイルを貯めることに主眼をおいた時、公共料金の支払いをどのクレジットカードで支払うのが合理的であるか考えたいと思います。

対象とする公共料金は?

アメリカンエクスプレス(通称アメックス)では、「定期的なお支払い」という区分で公共料金などに対する支払いにおけるルールを設けています。

例えば、都内に住む人であれば、「東京電力エナジーパートナー(電力会社)」「東京ガス(ガス会社)」「東京都水道局(水道局)」の他に、「NHK(放送局)」「国税・都道府県税(税金)」「国民年金保険料・特許申請料・Yahoo!公金支払い(公金)」「病院(その他)」などが該当します。

本記事での公共料金の支払いとして、上記の支払いを前提として、様々なクレジットカードにおけるマイル還元率を考えていきたいと思います。

クレジットカードの選定基準

現在、日本で利用可能なクレジットカードは多数存在しており、それらを全て吟味することは現実的ではありません。本記事では、得られたポイントをANAマイルに交換することを前提として、ANA陸マイラーが保有していそうなクレジットカードを中心に調査します。

今回調査した4つのクレジットカード

ANA VISA ワイドゴールドカード

ANAマイルを貯めている人の多くは、「ANA VISA ワイドゴールドカード」を持っているのではないでしょうか。ANA VISA ワイドゴールドカードでは、国民年金保険料を除くほとんどの公共料金の支払いに対して、通常と同じ1.00%のANAマイル還元率 のワールドプレゼントポイントを獲得することが可能です。

ANA VISA ワイドゴールドカードは、年会費が15,120円必要になりますが、ANAマイラーで既にこのクレジットカードを保有している場合は、追加の出費は必要ありません。また、ポイントの移行上限も設定されていないため、他の用途でたくさんのポイントを貯めている場合であっても問題ありません。

その他の三井住友カードにおいても同様1.00%のANAマイル還元率になるので、三井住友系のクレジットカードを持っている場合は、基本はこのクレジットカードを利用して公共料金の決済を行うのが良いと思います。

アメックス系カード

アメックスカードもまた、多くのANAマイラーが保有するクレジットカードの1つと考えられます。しかしながら、アメックス・ブランドのクレジットカードは全て、公共料金の支払いに対しては0.50%のANAマイル還元率、もしくはポイント還元なし となっています。また、SPGアメックスもアメックス系クレジットカードに分類され、同様にマイル還元率が半減します。

一方で、アメックス系カードの場合、1年間あたりのマイル交換上限が設定されていたり、カードランクによってANAマイルに交換するのに別途手数料が必要になるケースがあります。そのため「ANA VISA ワイドゴールドカード」を保有していない人でかつ、アメックス系カードをメインに利用しながらも、1年間あたりのマイル交換上限に達していない人にとっては、アメックス系カードが支払いの候補になります。

一方で、既にマイル交換上限に達してしまっている人にとっては、アメックス系カードで支払うメリットも少ないと思います。

ダイナースクラブカード

ダイナース系のクレジットカードのポイント還元率は、カード種別によっても変わりますが、通常時の支払いに対して、公共料金の支払いのポイント還元率は半減してしまいます。

例えば、標準的なダイナースクラブカードの場合、通常の支払いに対しては1.00%のANAマイル還元率を持っています。が、公共料金の支払いに対しては、0.50%のANAマイル還元率 となります。

ラグジュアリーカード

ラグジュアリーカードは、三井住友系クレジットカードと同じで、公共料金の支払いに対してもポイントの還元率が変わらないクレジットカードです。

しかしながら、ラグジュアリーカード自体のポイント還元率は、1.00〜1.50%であるものの、ラグジュアリーカードのポイントからANAマイルへの交換レートが悪いことから、公共料金の支払いかどうかに関わらずANAマイル還元率は0.60〜0.90% となります。

まとめ

自身の保有しているクレジットカードの中から公共料金の支払いでもっともマイルのたまるクレジットカードは、ANA VISAワイドゴールドカードということになりました。今、アメックスを使って支払いを行なっている公共料金については、出来るだけANA VISAワイドゴールドカードに変更する ことにしました。

皆さんも、もしアメックス系のクレジットカードやダイナースクラブカードなどで公共料金を支払っているようであれば、支払いクレジットカードの変更を検討してみてはいかがでしょうか。