コロナウィルスの影響で需要が激減した航空会社ですが、その需要の激減に応じて、国内線・国際線共に運休となったフライトが多数存在します。

今回は、この運休状況の実態を調査したいと思います。

本来の運航予定

まずは本来ANAが運航予定であった国内線についてです。今回は、ANAのWebサイトにあるANA時刻表 2020.2.1〜2020.3.28に記載されている全ての国内線フライトを抽出しました。PDFからの抽出のため、手間がかかりましたが、Pythonを駆使してリストを作成しました。その数はなんと1,090フライトとなりました。日本の国内線はANAだけで毎日1,090フライトも飛んでいることになります。JALやスカイマーク、スターフライヤー、その他LCC航空会社なども含めると恐らく毎日3,000便近くのフライトが日本の国内線として活躍しているようです。

今回の運休状況

今回の国内線の運休状況については、ANAのWebサイトの新型コロナウイルスの影響に伴う路線・便数計画の一部変更についてにそのリストが記載されています。このリストをみると、たくさんの便が運休になっていたり、同じ便であっても期間中ずっと運休になっているとは限らず、日付によって運休になっていたり運休になっていなかったりとするようです。

機材繰りの関係、乗務員・パイロットの手配の関係、既に予約されていた座席の数、もしくは日々刻々と変わるウィルス状況や利用需要に応じて運休にするかどうかを決めているものと思われますが、非常に難しい仕事になるかと思います。

本来の運航予定と運休状況を一緒に見ると

本来の運航予定と、3月28日の運休状況を一緒に見ると、以下のようになります。この一覧のうち、グレーになった行が運休となったフライトとなります。3月28日に運休となったのは、全部で124フライトであり、全体の11%にあたるフライトが運休となったようです。

いろいろな報道を見ていると、フライトも激減している、というような表現がよく見られるので、半分くらいに減っているのかと思いきや、そのようなことはなく、運休となったのは全体の10%程度ということでした。運休となったのは10%程度とはいえ、実際の搭乗者数は運航している便であっても大幅な減少となっているようなので、航空会社にとっても大変厳しい状況であることに変わりはありません。

東京・札幌(新千歳)便で多くの運休が発生しているのは、北海道内でコロナウィルスの発症数が大きく増えたことが関係しているものと思われます。

4月以降の運休状況についても発表されていますが、先の予定についてはまだ変更の可能性も高いので、追って調査を行いたいと思います。

まとめ

今回は、コロナウィルスの結果、ANAの国内線フライトがどのくらいの規模で運休となっているのかを調査しました。運休状況については、様々な報道にあるほど大規模に行われているものではないことがわかりました。