コロナウィルスの影響で需要が激減した航空会社ですが、その需要の激減に応じて、国内線・国際線共に運休となったフライトが多数存在します。
前回の記事では、ANA国内線の運航状況を徹底調査した結果をお伝えしました。その結果、日本国内線のフライトにおいては10%くらいが運休になっているということで、そんなに大きな影響がないと思った方もいると思います。しかし、今回の運休のメインは国内線ではなく国際線になります。そんな国際線の惨状を調べていきたいと思います。
本来の運航予定
まずは本来ANAが運航予定であった国際線についてです。今回は、ANAのWebサイトにあるANA時刻表(国際) 2020.3.29〜2020.5.30に記載されている全ての国際線フライトを抽出しました。PDFからの抽出のため、手間がかかりましたが、Pythonを駆使してリストを作成しました。その数はなんと1,090フライトとなりました。共同運行便などを合わせると全部で538便、このうち、今回はANA運航便のみに絞って調査を行っており、ANA運航便はこのうち183便となりました。
今回の運休状況
今回の国際線の運休状況については、ANAのWebサイトの新型コロナウイルス感染拡大に伴う国際線路線・便数計画の一部変更についてにそのリストが記載されています。このリストをみると、たくさんの便が運休になっていたり、同じ便であっても期間中ずっと運休になっているとは限らず、日付によって運休になっていたり運休になっていなかったりとするようです。
機材繰りの関係、乗務員・パイロットの手配の関係、就航先の国のウィルス被害状況などに応じて運休にするかどうかを決めているものと思われますが、非常に難しい仕事になるかと思います。
本来の運航予定と運休状況を一緒に見ると
本来の運航予定と、4月1日前後の運休状況を一緒に見ると、以下のようになります。この一覧のうち、グレーになった行(もしくはセル)が運休となったフライトとなります。4月1日前後に運休となったのは、1週間に1,249フライト飛んでいるうちの、1,070フライトが運休になっています。ANA運航便の全体の約86%が運休となっています。国内線フライトは10%程度だったので、その惨状さが伺えます。
下記が具体的な運航状況になります。
現在も運航されている国際線フライトは?
下記が現在も運航されている国際線フライトになります。青文字部分が、通常通り運航されている路線です。通常通り運航されているのは、ストックホルム、プノンペン、メキシコシティ、ヤンゴンの4路線のみとなります。
特に上海路線については、通常時であれば羽田・成田・関空から週56便が就航しています。現在は週1便が残るのみとなっています。この1便については、中国当局からの要請を受けて運航している、ということですので、日本在住の中国人が自国に帰国するため、もしくは中国在住の日本人が日本に帰国するために、少なくとも帰国手段を用意しておきたい、ということかと思います。
- 東南アジア
- クアラルンプール(週14便→週3便)
- ジャカルタ(週21便→週7便)
- シンガポール(週28便→週7便)
- バンコク(週35便→週7便)
- マニラ(週14便→週7便)
- ホーチミンシティ(週14便→週3便)
- プノンペン(週7便)
- ヤンゴン(週7便)
- 中国・台湾路線
- 上海(週56便→週1便)
- 台北松山(週14便→週3便)
- 北米・カナダ・メキシど
- サンフランシスコ(週14便→週3便)
- シカゴ(週14便→週7便)
- ニューヨーク(週14便→週3便)
- ロサンゼルス(週21便→週7便)
- バンクーバー(週7便→週3便)
- メキシコシティ(週7便)
- オセアニア
- シドニー(週14便→週7便)
- ヨーロッパ
- ストックホルム(週3便)
- フランクフルト(週14便→週3便)
- ロンドン(週7便→週3便)
まとめ
今回は、コロナウィルスの結果、ANAの国際線フライトがどのくらいの規模で運休となっているのかを調査しました。国際線の運航状況は、国内線フライトと比較すると目も当てられないような惨状となっていることがわかりました。