新型コロナウィルスの世界的流行が、様々な業界に大きなインパクトを引き起こしています。このインパクトの大きな業界として、航空会社やホテルなどの旅行業があります。

航空会社やホテルなどの中には、キャッシュを増やしてこの状況を乗り切るために、マイルやポイントのセールを行うところが増えてきました。今回は、航空会社とホテルに限定して、マイル・ポイントを購入できるセールを実施しているところを紹介したいと思います。

航空会社

ユナイテッド航空

スターアライアンスに所属するユナイテッド航空は、以前からも定期的にバイマイルのセールを行っていましたが、2020年05月にもバイマイルのセールが開始されました。

キャンペーン期間は、5月14日14:59(日本時刻)までで、残り期限も少ないですが、4万マイル以上の購入で、100%増量となっています。ユナイテッド航空は、過去にもバイマイルのセールをやっていますが、最近は多くても85%増量が限界だったので、今回のセールは、通常のセールと比べてもお買い得でしょう。

ユナイテッド航空のマイルは、日本国内線であってもANAの航空券を予約することができるため、新型コロナウィルスの影響で海外旅行を当分の間自粛しなければいけないこのタイミングでも、日本国内の感染が治れば比較的利用しやすいと言えます。

アラスカ航空

アラスカ航空は、アライアンスには属していない航空会社ですが、アライアンスを超えて様々な航空会社と提携を行っています。そんなアラスカ航空も、バイマイルのセールが開始されました。

今回のセールは、5月31日までとなっており、最大で60%のマイルボーナスが付与されるようになっています。ただし、会員ごとにマイルボーナスの付与率が変わっており、40%程度の付与率の方が多いと見られています。

アラスカ航空のマイルの場合、国際線のビジネスクラスにも少ないマイル数で搭乗できるところに旨味があります。アラスカ航空のマイルを使ったお得な旅程の例として、

日本 - 香港(2泊) - バンクーバー(5泊) - ニューヨーク

といった片道の旅行をビジネスクラスで発券しても、たったの50,000マイルで済む点です。往復しても100,000マイルであり、香港、カナダ、ニューヨークを一度の旅行で楽しめるプランです。

エア・カナダ

スターアライアンスに所属するカナダの航空会社であるエア・カナダもマイルのセールが行われました。

今回のセールは、5月14日までと残り期間が短くなっていますが、

  • 最初の10,000,000マイルが売れるまで 115%ボーナス
  • 次の100,000,000マイルが売れるまで 90%ボーナス
  • それ以降 65%ボーナス

のような形で販売状況によってボーナス率が変わるような仕組みになっています。最大のボーナス率は115%であり、550,000円ほどで500,000マイルを一気に購入できるキャンペーンになっています。このブログを執筆している5月13日15:00時点では既に65%ボーナスのラインまで購入されているようです。90%ボーナス分までの購入で単純に計算すると、およそ1億円のキャッシュをエア・カナダが手に入れていることになります。1億円と聞くと大きな金額ですが、航空会社では固定費のみで毎月数百億円の規模の支出があるので、全体から見ると微々たる額なのかもしれません。

なお、エア・カナダもアラスカ航空のマイルと同様に国際線のビジネスクラスの航空券に交換することで、とてもお得に海外旅行ができるマイルとなっています。

ホテルグループ

マリオットホテル

マリオットホテルは、最大のホテルグループであり、「マリオットホテル」の他に「シェラトンホテル」「ウェスティンホテル」「リッツ・カールトン」など、多数のホテルブランドを有しています。

今回のセールは、6月30日までの長期に渡って開催されており、過去最大のボーナス率となる60%のポイントが多く付与されるようになっています。マリオットホテルは今までもセールを行っていましたが、その付与率は30%や50%程度であり、今回の60%増量は初めてです。

このセールにより、50,000ポイントを625ドルで購入することができます。この50,000ポイントを使うと、オフピーク時であれば、カテゴリー7のマリオットホテルに1泊することができます。カテゴリー7のホテルは日本では「ザ・リッツ・カールトン大阪」「セントレジスホテル大阪」「ウェスティンホテル東京」などがあります。

ヒルトンホテル

日本でも多くの人が知っている「ヒルトンホテル」も5月27日までの期間でポイントセールを行っています。今回のセールでは、ポイントが最大100%多く付与される内容となっています。

100%の増量となるには、10,000ポイント以上の購入が必要です。1,000ポイントの購入で10ドルなので、100%増量の恩恵を受けるには、100ドル以上の購入が必要です。

私は、現在マリオットホテルのプラチナエリートということもあり、今年・来年はヒルトンホテルに宿泊する予定は基本的にないので購入しませんが、今回のセールで、最大320,000ポイントを1,600ドルで購入することができます。

ヒルトンのポイントは、通常の利用では、1ポイント当たり0.57〜0.66円の価値がある、と言われています。今回のセールでは、1ドル110円換算で0.55円となるので、基本的にお得にはなるが、そのお得さは利用方法次第、と言えそうです。

IHGホテル

IHGホテルは、日本では「ANAクラウンプラザ・ホテル」や「インターコンチネンタル・ホテル」が有名です。

IHGホテルも、6月15日までの期間でポイント購入キャンペーンを実施しています。キャンペーン内容は、「7,000ポイント以上の購入で100%ボーナス」です。

インターコンチネンタル東京への宿泊には、 55,000ポイント必要ですが、今回のキャンペーンを通じてポイントを購入すると、32,100円ほどの出費で宿泊することができます。特に、ポイントを使った宿泊では、「前日18時までキャンセル可能」「除外日なく利用可能」である点がフレキシブルで良いです。

日本の航空会社はどうなる?

現在、日本を代表する航空会社であるANA・JALでは、今までマイルの購入は行ってきておりません。しかしながら、もしかしたら日本の航空会社もマイルの販売並びにキャンペーンを行う可能性も十分に考えられると思っています。

というのも、ANAやJALも国際線が9割以上の減便、国内線においても6割以上の減便で収入が一気に減っているのに加え、重くのしかかる固定費が利益を圧迫しています。この状況で、どの航空会社も政府や様々な金融機関からの融資支援を受けています。しかしながら、増えた融資はどこかで返す必要があり、何らかの健全な収入を少しでも増やしていく必要があると言えます。直近の飛行機需要を増やすことは難しいですが、ANAやJALがマイルを販売することで金融機関への返済が不要なキャッシュを増やす方針はあり得る話だと思います。

まとめ

今回は、いくつかの航空会社やホテルが、2020年5月13日時点で発表したマイルやポイントの購入セールについての情報をまとめました。マイルやポイントを購入するときには、

  • 有効期限はどのくらいか
  • キャッシュで直接購入する場合と、マイル・ポイントで購入した場合のお得度合いを計算すること

の2つは常に意識しておきたいです。この2つを計算した上で、マイル・ポイントの購入を考えてみましょう。