飛行機に乗っての旅行はとても楽しいですよね。2泊、3泊と旅行期間が長くなると、必然的に荷物の量は増えていきます。結果、機内に持ち込むことができず、チェックインカウンターでスーツケースを預ける機会が多いと思います。本記事では、受託手荷物として預け入れることが可能な範囲と、最終目的地のターンテーブルにどう並ぶのか、解説したいと思います。

受託手荷物の制限

フルサービスキャリアであるANAでは、無料で利用できる受託手荷物の枠が存在します。その無料枠は、国内線・国際線や、搭乗する座席クラス、マイレージ会員種別によって変わってきます。ここでは、国内線・国際線別で受託手荷物の無料枠ならびに超過時の料金について説明します。

国内線

まず、受託手荷物として預けることができる荷物のサイズは、座席クラスやマイレージ会員種別によらず、3辺(縦横高さ)の合計は203cm以内になります。1週間以上の滞在で使うような大きさのスーツケースであっても3辺の合計は150cm程度に収まるので、市販のスーツケースであれば、サイズを気にする必要はありません。

次に、受託手荷物として預けることができる荷物の重量は、普通席に搭乗の場合20kgまで、プレミアムクラスに搭乗の場合は40kgまでが無料枠となります。また、それとは別に、スターアライアンス・ゴールドメンバー(ANAダイヤモンド会員、ANAプラチナ会員、ANAスターフライヤーズ会員含む)の方は、上記の無料枠に加え、+20kgが無料枠として追加されます。つまり、プレミアムクラスに搭乗するスターアライアンス・ゴールドメンバーであれば、60kgまでの受託手荷物を無料で預けることが可能になります。1点注意すべきポイントは、受託手荷物1個あたりの重量が32kgを超える場合は預けることができない点です。

重量超過時は、超過重量に合わせて手荷物料金が加算されます。一方で、受託手荷物の個数については制限はなく、受託手荷物のサイズと重量の制限を満たしていれば、何個でも預けることが可能です。なお、重量超過時の超過料金は、下記のようになっています。

超過重量 一部路線 一部路線を除く全路線
1〜10kg 1,500円 2,500円
11〜20kg 2,500円 3,500円
21〜30kg 3,500円 4,500円
以降10kgごと +1,000円 +1,000円

国内線の受託手荷物については、ANAの公式サイトの「国内線飛行機に預けられる荷物」でも詳しく説明されているので、こちらも合わせてご参照ください。

国際線

国際線で預けることができる荷物のサイズは、座席クラスやマイレージ会員種別によらず、3辺(縦横高さ)の合計は158cm以内になります。国内線よりも制限サイズが小さい点が驚きですが、1週間程度の滞在で使うような大きさのスーツケースであっても3辺の合計サイズは150cm程度なので、受託手荷物として預け入れるのであれば、サイズを気にする必要はないでしょう。

次に、受託手荷物として預けることができる荷物の1個あたりの重量は、座席クラスによって変わってきます。エコノミークラス・プレミアムエコノミークラスの場合は1個あたり23kg(50ポンド)以内、ビジネスクラス・ファーストクラスの場合は32kg(70ポンド)以内となります。また、荷物の個数は、座席クラスならびにマイレージ会員種別によって変わります。基準となる荷物個数として、エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラスに搭乗の場合は2個、ファーストクラスに搭乗の場合は3個が無料受託手荷物の個数となります。さらに、スターアライアンス・ゴールドメンバー(ANAダイヤモンド会員、ANAプラチナ会員、ANAスターフライヤーズ会員含む)の方は無料受託手荷物の枠が+1されます。

また、荷物の個数が規定の数を上回る場合や、サイズ・重量が規定を上回る場合は、別途超過料金を支払うことで、受託手荷物として預けることが可能となります。

自分は、過去に出張で3ヶ月間海外で生活する機会がありました。そのときは、エコノミークラスへの搭乗であり、かつ航空会社・アライアンスの上級会員ではなかったので、受託手荷物の上限は「23kgまでの荷物2つまで」となります。ただ、3ヶ月という長期の出張ということと、1つのスーツケースで済ませたかったということもあり、結果的に25kgくらいの重量になり、追加料金を支払うことになりました。

国際線の受託手荷物については、ANAの公式サイトの「国際線飛行機に預けられる荷物」でも詳しく説明されているので、こちらも合わせてご参照ください。

ターンテーブルで出てくる順番

ファースト・プライオリティタグ

ファーストクラスに搭乗する人、ミリオンマイラーまたは、ANAダイヤモンド会員の方の受託手荷物には、ファースト・プライオリティタグと呼ばれるオレンジと赤のタグがつけられます。ファーストクラス、ANAダイヤモンド会員はANA便に搭乗する搭乗者の中でもごく限られた人数しか搭乗していません。このタグが付与された受託手荷物は、着陸後一番最初に降ろされ、ターンテーブルに流れます。そのような搭乗者はだいたい飛行機の前方に乗っていることが多いので、エコノミークラスの方が飛行機から降りてターンテーブルに着いたときにはもうすでに彼らは受託手荷物を受け取り制限エリアを出てしまっていることが多いでしょう。

プライオリティタグ

次に、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、ANAプラチナ会員、ANAスーパーフライヤーズ会員、スターアライアンス・ゴールドメンバーの方の受託手荷物がターンテーブルに流れてきます。彼らの手荷物には、プライオリティタグと呼ばれるオレンジ色のタグがつけられています。ターンテーブルに着いたときに、流れている荷物にこのタグが貼られているかをチェックしてみてください。もし、ご自身がエコノミークラスの搭乗でかつ航空会社ステータスを保有していない場合は、このプライオリティタグが貼られた荷物がターンテーブルから出てきている間は出てきません。ターンテーブルから離れた場所で、空港から出たあとのことを考えたり、トイレ休憩などをしておくと良いでしょう。

通常会員

プライオリティタグが付与された荷物がすべて流し終わったら、ようやく通常会員の受託手荷物がターンテーブルを流れます。

上級会員、上級座席利用者の同行者

通常、ファースト・プライオリティタグプライオリティタグを付与される条件を満たす搭乗者の同伴者には、プライオリティタグは付けられません。ただし、プライオリティタグを付与される搭乗者であれば、荷物の預けられる個数枠が増えているケースも多いです。であれば、全体の荷物の個数と、同行する上級会員・上級座席などの方が利用できる受託手荷物の総数を比較し、すべて預け入れることができるのであれば、上級会員・上級座席の方の荷物として預け入れることで、すべての荷物をプライオリティ扱いにすることができ、空港に着いたあと同行者全員が素早く空港を出られるようになります。

まとめ

航空会社の上級会員や、上級会員を狙っている方からすると、プライオリティタグについては既にご存知の方が多いと思います。しかしながら、趣味程度で海外旅行を年に1〜2回くらいするような人は、ターンテーブルにいち早く向かい、自分の荷物が出てくるのを今か今かと待ち構えている状況をよく見ます。しかしながら、自身の荷物がどのくらいのタイミングで出てくるのかは、プライオリティタグが付与されているかどうかで分かります。また、プライオリティタグが付与されている人がどのくらいあるかは、最初の搭乗時に優先搭乗を受けている人の列の長さを見るとだいたい分かります。なので、自分の荷物が出てくるまで時間がかかりそうであれば、その間にトイレに行ってきたり、その後の電車などの時間帯を調べるなどして有意義に時間を過ごすといいと思います。