クレジットカードの作成時やローンの契約などを行う際に、企業は申込者の情報を調べ問題がある人であるかどうか調査します。アメリカではFICOスコアと呼ばれるクレジットスコアがよく使われています。

日本には「FICOスコア」に相当するものは存在しませんが、「ローン契約をどのくらい行っているか」「クレジットカードなどの返済で遅延が発生していないか」などをクレジットカード会社などの金融機関をチェックし、審査を行います。日本では、3つの団体がそれぞれ個人の信用情報を管理しており、自身のデータを照会することができるようになっています。この記事では、3つの団体のうち**日本信用情報機構(JICC)**に自身の信用情報を問い合わせた様子を紹介します。

3つの信用情報管理機関

日本で使われている信用情報は3つあり、それぞれ通称「CIC」「JICC」「KSC」と呼ばれています。これら3つの機関では情報共有が行われており、全ての機関が同じ情報を持っています。

CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)

CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)

CICは、1984年に国内のクレジットカード会社が共同で出資して立ち上げられた個人信用情報機関です。立ち上げに関わったのがクレジットカード会社ということもあり、三井住友カードや楽天カードなどのカード会社が加盟社になっています。

クレジットカードの利用履歴や返済状況などを調べる際は、まずCICに問い合わせるのが良いでしょう。CICの場合は、問合せを行えばその場で問合せ結果を確認することができ、また信用情報はPDFファイルで手に入れることができるため、手軽に行えます。

当ブログでも過去にCICへの問合せを行っており、その時の様子はCICに認証機関情報を請求して見た話にまとめています。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCは、1986年に設立された個人信用情報機関であり、消費者金融をメインとした貸金業者が加盟社の多くを締めています。そのため、消費者金融系のカードローンの信用情報を確認したい場合は、JICCを使うのが良いでしょう。

JICCの問合せは、スマートフォン・アプリから問合せたあと、JICC社側の確認作業を経て、調査結果は郵送で送付されます。申し込んでから調査結果を手に入れるまで、2週間程度の期間を要するので、注意しましょう。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSCは、銀行や信用金庫の業界団体である「全国銀行協会」が運営する個人信用情報機関です。銀行や信用金庫が運営しているため、住宅ローンや自動車ローンなど銀行系のローンを利用する際にKSCを使うのが良いでしょう。

JICCへの信用情報開示の記録

開示に必要なもの(スマートフォン経由の場合)

スマートフォンから開示申請を行う場合、

  • 申請のためのパスワードを受け取るためのメールアドレス(jicc-cs@jicc-webkaiji.jpからメールが届く必要あり)
  • スマートフォンの申請アプリ(App Store, Google Play)
  • 本人確認書類 ※指定の本人確認書類の中から、2点の原本が必要
  • 手数料(1,000円) ※支払い方法は、クレジットカード・コンビニ払い・ペイジーATM払い・オンラインバンキング払いが選択可能。ただし、クレジットカード以外は支払い手数料が別途必要

が必要となっています。申請前にこれらが揃っていることを確認しましょう。

実際の開示手続きの様子

実際の開示手続きの様子を画面イメージ付きで紹介します(以下は、アプリをインストール、起動した後の画面からの開始です)。

アプリ起動後から注意事項の確認: アプリを起動後、「開示申込」を選択し、利用規約を確認の上、チェックボックスにチェックを入れ、次に進みます。次は注意事項の確認です。注意事項をよみ問題ないことを確認したら、次に進みます。

注意事項の続きからパスワード発行: 注意事項は1ページだけかと思いきや、全部で3ページあります。続きのページも確認し、次に進みましょう。注意事項の次はパスワードの発行です。パスワードはメールにて受け取る形になるので、「jicc-cs@jicc-webkaiji.jp」からのメールが受信できるメールアドレスを入力しましょう。送付されるパスワードは、6桁の数字となっています。

パスワード入力から自身の情報の入力/確認: メールで送付されたパスワードを入力し、自身に関する情報の入力を進めます。開示に必要な情報は「カナ指名」「漢字指名」「アルファベット指名」「旧姓名・通称(必要な場合)」「生年月日」「連絡先電話番号」「郵便番号(過去の郵便番号を含む)」「本人確認書類の情報」です。これらを入力後、自身に関する入力内容を確認します。入力内容を確認後、オプションを選択します。郵送に関するオプションや罹災証明書の有無、郵送先住所の登録を行います。また、合わせて「今回の開示目的」「過去の開示回数」も入力します。その後入力内容を確認し、送信します。



本人確認書類の撮影・送信: 本人確認書類を撮影し、送信します。申請アプリからカメラを起動して本人確認書類を撮影します。

手数料の決済を行い開示申請完了: 手数料をクレジットカード払いにして支払い開示申請手続きを完了させました。状況照会のページで2つの申請がありますが、片方は途中で申請をやり直したためで、1回目の中断してしまった手続きのものです。

1〜2週間後、開示情報が郵送されてきた

開示情報は、申請申込完了から約2週間後に上の写真のような封書で郵送にて送られてきました。郵送方法は「転送不要」の「簡易書留」となっています。簡易書留なので、本人でなくても問題ありませんが、対面での受け取りが必要となります。受取時には、受取証明のために受取者のサインまたは印鑑が必要となります。

今回自分が開示した情報の中には

  • 信用情報記録開示書(概要)
  • 信用情報記録開示書(ファイルD)
  • 信用情報記録開示書(ファイルM)
  • 信用情報記録開示書(会員照会記録)

が含まれています。では、順番に見ていきます。

概要

概要には、対象となる「登録会社名」の一覧が表示されています。クレジットカードの場合でも、作成しているクレジットカードの全てが表示されているわけではなく、一部のクレジットカードしか対象となっていないようです。自分の場合、

  • 三井住友カード
  • 楽天カード
  • アメックスカード
  • ジェーシービー・カード

の4つが対象となっています。既に解約して3〜4年くらい経っている「楽天カード」も記載されていました。対象となる取引形態としては、

  • クレジットカード
  • クレジットカード(キャッシング)
  • 包括信用購入あっせん

となっています。

契約内容以外では、「本人申告コメント・サービス情報」と「会員照会記録」があります。自分の場合、「本人申告コメント・サービス情」はゼロ件であり、「会員照会記録」は1件入っていました。

ファイルD

ファイルDには、貸金事業者からの借入情報などキャッシングの契約が主に登録されています。記載項目は、

  1. 登録会社名
  2. 登録ファイル
  3. 契約状態
  4. 契約日・貸付日
  5. 取引形態
  6. 残高金額
  7. 異動参考情報など(延滞、元金延滞、利息延滞、延滞解消、債権回収、債務整理、破産申立、特定調停、民事再生、保証履行、保証契約弁済、連帯保証人弁済、カード強制解約、支払抗弁中、本人否認)
  8. CIC加盟状況
  9. 利用日
  10. 利用額
  11. 利用合計額・貸付金額・保証額
  12. 入金日
  13. 入金予定日・残高確認日
  14. 完済日・譲渡日
  15. 包括個別
  16. 同意取得
  17. 配偶者引受
  18. 法令金額区分

となっています。

ファイルM

ファイルMには、クレジットや金融機関などの契約が主に登録されています。記載項目は、

  1. 登録会社名
  2. 登録ファイル
  3. 契約状態
  4. 契約日
  5. 取引形態
  6. 残高金額
  7. 異動参考情報など(元本・手数料遅延、元本遅延、手数料遅延、遅延解消、保証履行、代位弁済、強制解約、返済条件変更、返済総額変更、再建譲渡、債権回収、破産申立、特定調停、民事再生、支払抗弁中、名義注意、本人否認)
  8. 利用日
  9. 契約額・極度額
  10. キャッシング極度額
  11. キャッシング残高
  12. 割賦残高
  13. 保証額
  14. 最新入金日・残高確認日
  15. 入金予定日
  16. 商品名
  17. CIC加盟状況
  18. 情報確認日
  19. 契約終了日
  20. 支払サイクル
  21. 支払回数
  22. 年間支払予定額
  23. 年間支払基準日
  24. 本人・保証人区分
  25. 同意取得
  26. 重複債権

となっています。

本人申告コメント・サービス情報

今回の自分の開示情報ではゼロ件でしたが、本人申告された内容が記載されます。記載項目は、

  1. 本人申告コメント
  2. サービス情報

となっています。

会員照会記録

会員照会記録には、加盟会員がお客様の情報を照会した記録が記載されています。記載項目には、

  1. 照会年月日
  2. 照会会社名
  3. 照会対象
  4. 照会目的・照会機関
  5. 商品名
  6. 申込金額

となっています。

自分の場合は、3ヶ月前に三井住友カードが照会していることが分かりました。

JICCとCICの違い

CICの場合、基本的に保有しているクレジットカード全ての支払情報を照会することができました。しかし、JICCの場合は、キャッシングなどの貸金事業者からの借入情報が記載されます。開示に係る料金は、JICCもCICも同じ1,000円となっていますが、開示までの所要時間はJICCは1〜2週間かかるのに対してCICは即時開示となっています。

インターネットでの開示の場合の違いをまとめると、

項目 CIC JICC
料金 1,000円 1,000円
支払方法 クレジットカードのみ クレジットカード、コンビニ払い、ATM振込など
開示対象 クレジットカード情報がメイン キャッシングなどの貸金事業者からの借入情報がメイン
所要時間 即時開示 1〜2週間

のようになっています。

まとめ

今回の記事では、信用情報取扱機関の1つである「日本信用情報機構」(通称JICC)に自身の信用情報を照会する様子と照会結果をお伝えしました。信用情報の照会を行う機会はあまりないかと思いますが、住宅や車など大きな出費のためにローンを組む可能性が出てきた時などは、自身の信用情報を確認して見ると良いでしょう。