2022年5月から新生銀行の会員プログラムである「新生ステップアッププログラム」がリニューアルされることになりました。今までの会員プログラムでは、「スタンダード」「ゴールド」「プラチナ」の3段階となっていたものが、リニューアルにより「スタンダード」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「ダイヤモンド」の5段階となります。

本記事では、リニューアル予定の「新生ステップアッププログラム」について紹介したいと思います。

会員プログラムリニューアルのポイント

今回のリニューアルの1番のポイントは、今までは3段階であった会員ランクが5段階に大幅に増えることにあります。今までの会員プログラムで「ゴールド」を目指せなかった「スタンダード」会員の方も、新プログラムでは、スタンダードとゴールドの間に「シルバー」が入ることで、「シルバー」ランクを獲得できるようになることが大きなポイントと言えます。

もちろん、「ダイヤモンド」ランクができたことで、今まで「プラチナ」に一括りにされていた人たちにも序列がつけられることとなります。「プラチナ」ランクについては、判定条件に「ラグジュアリーカードでの決済」が含まれていました。そのため、ラグジュアリー・チタンカードを保有するだけで、新生ステップアッププログラムの最上位ランクであるプラチナを獲得できてしまっていたので、プラチナ会員が増えすぎてしまい、本当の意味での新生銀行のお得意さまに対して十分なサービスができていなかったのかもしれません。

また、今までは毎月ステージの判定を行い、条件を満たしていなければ即座にステージダウンする、という仕様になっていました。しかし、今回のプログラムリニューアルにより、ステージ判定が年1回に変更になります。これにより、ステージダウンする機会は年に1回のみとなり、常にステージ維持に気を遣う必要がなくなりました。また、ステージアップについては、適用されるステージ条件によっては年1回ではなく毎月判定されるものもあるので、安心できます。

ステップアップのための判定条件の変更

ステージ判定に使われる条件には、

  • お預け入れ総資産の年間判定残高
  • 当行所定の投資商品の年間判定残高
  • お預け入れ総資産の年間判定残高と当行所定の投資商品の年間判定残高
  • 住宅ローンの残高
  • 住宅ローンのご契約
  • 対象商品のお取り引き金額
  • ラグジュアリーカードのご利用
  • 給与振り込みのご利用
  • 口座自動引き落としのご利用
  • プリペイドカードGAICA(Flex機能付き・アプラス発行)のご利用

などの条件があり、それぞれのランクに対応する基準が設定されており、いずれかの基準をクリアすると、そのステージになることができます。
詳細は公式サイトのページ「リニューアル後の「新生ステップアッププログラム」について」をご覧いただくのが良いですが、本記事では新しく設定された「新生シルバー」「新生ダイヤモンド」の会員条件を見ていきたいと思います。

新生シルバーの会員条件

今回新設された「新生シルバー」会員になるには、

  • お預け入れ総資産の年間判定残高が 100万円 以上
  • 当行所定の投資商品の年間判定残高が 10万円 以上
  • 給与振り込みのご利用 1回 以上
  • 口座自動引き落としのご利用 6回 以上
  • プリペイドカードGAICA(Flex機能付き・アプラス発行)のご利用 10万円 以上(国内・海外でのショッピングのご利用金額)

のどれかをクリアすればOKとなります。給与振り込み先口座は、会社によっては指定の銀行しか受け付けないケースも多いと思いますので、現実的ではないかもしれませんが「口座自動引き落としのご利用」や「お預け入れ総資産の年間判定残高」については比較的現実的ではないでしょうか。

特に「口座自動引き落としのご利用」については、電気水道ガス代の他に、クレジットカードの引き落としやスマートフォンの支払い、NHKの支払いなども対象になっているので、これらの項目のうち少なくとも1つを新生銀行で設定しておき、半年経てば晴れて「新生シルバー」会員になることができます。

新生ダイヤモンドの会員条件

新生ステップアッププログラムで今回新設された最上位ランクである「新生ダイヤモンド」になるには、

  • 当行所定の投資商品の年間判定残高 2,000万円 以上
  • 対象商品のお取引金額 1,000万円 以上

のどちらかを満たす必要があります。常に「新生ダイヤモンド」を維持し続けようと思ったら、新生銀行の外貨預金や投資信託を使って2,000万円の運用を行う必要があります。1つ下のランクの「新生プラチナ」であれば、ラグジュアリーカード(チタンカードで年会費50,000円)を持つだけでよかったことを考えると、新生プラチナ(もどき)と新生ダイヤモンドには雲泥の差があると言えます。

ステージごとの優遇サービスはどう変わる?

優遇サービスは大きく分けると

  • 提携金融機関ATM出金手数料ゼロ円
  • プリペイドカード「GAICA」の外貨チャージ手数料分のキャッシュバック
  • インターネットによる他行宛振り込み手数料の無料化
  • 外国送金の受取手数料分のキャッシュバック
  • 海外送金時の送金手数料の割引
  • 住宅ローン事務取扱手数料の優遇

が挙げられます。このうち、太字にした「プリペイドカード「GAICA」の外貨チャージ手数料分のキャッシュバック」が今回のプログラム変更で新たに追加された優遇サービスとなります。

  • 提携金融機関ATM出金手数料ゼロ円
  • プリペイドカード「GAICA」の外貨チャージ手数料分のキャッシュバック
  • 海外送金時の送金手数料の割引

の3つについては会員ランクによらず、新生シルバー会員以上は同じ優遇を受けることができます。また、他行振り込みの振り込み手数料については、会員ランクごとに無料回数が設定されており、シルバー会員の場合は1ヶ月3回まで、ダイヤモンド会員は1ヶ月50回が設定されており、間の会員ランクにもそれぞれ上限回数が設定されています。

自身も新生銀行は3年以上使っており、ラグジュアリーカード保有による「新生プラチナ」会員を3年間キープしています。ただ、新生プラチナの優遇サービスのうち実際に活用できているのは、

  • 提携金融機関ATM出金手数料ゼロ円
  • インターネットによる他行宛振り込み手数料の無料化

の2つのみであり、銀行振り込みの回数も月3回で十分収まることがほとんどです。

そのように考えると、一般的な利用の範囲であれば、「新生シルバー」の会員ステータスさえ獲得できれば十分なのかもしれません。

詳細な優遇サービスの一覧と会員ステータスごとの割り当ては、公式サイトのページ「リニューアル後の「新生ステップアッププログラム」について」をご覧ください。

ラグジュアリーカード保有者のステージはどうなる?

アプラス社が発行する富裕層向けクレジットカードである「ラグジュアリーカード」の保有者は、1ヶ月の間にクレジットカード引き落としが1円でも新生銀行から行われている場合、自動的に「新生プラチナ」のステータスを得ることができました。

今回のプログラム変更に伴った情報の中には、ラグジュアリーカード保有者の扱い方が変わる、という記載はなく、またラグジュアリーカード側からも何もアナウンスが行われていないため、おそらく今まで通り「新生プラチナ」のステータスを獲得することができるものと思われます。

今までは、新生ステップアッププログラムの最上位ステータスが得られる、という触れ込みでしたが、プログラムのリニューアル後は最上位ステータスではなく、1つ下のランクになる、ということだけ理解しておきましょう。

また、ラグジュアリーカードでは、先日「ブラック・ダイヤモンドカード」が発表されました(ラグジュアリーカードがさらに上位ランクのカードを発表!「ブラック・ダイヤモンドカード」とは?)。現時点では何もアナウンスは行われていないですが、もしかしたら、ブラック・ダイヤモンドカードの保有者は新生プラチナではなく、新生ダイヤモンドのステータスが得られるようになるかもしれません。

簡単にシルバーランクに上がるには?

優待サービスの一覧を見る限り、一般的な利用用途であれば、「新生シルバー」のステータスを得ることができれば十分かもしれません。そう考えると、この新生シルバーをどのように獲得するかが重要になってきます。

新生シルバーの条件はいくつかありますが、「口座自動引き落としのご利用 6回以上」でのクリアを目指すのがどの人にとってもクリアしやすい条件ではないでしょうか。もちろん、給与振り込み先口座に新生銀行を指定することができる環境の場合はそれだけでクリアできてしまいますが、会社指定の銀行・支店出ないといけないケースもあるため、万人受けしにくい条件です。

一方、口座自動引き落としの利用であれば、クレジットカードの引き落とし口座を新生銀行にしておくだけでクリアできてしまいます。これであればハードルはかなり低くなったのではないでしょうか。

自身も近いうちにラグジュアリーカードを手放すことを計画していますが、今回のプログラム変更により、口座自動引き落としだけで新生シルバーを獲得できるということで安心しました。

まとめ

今回は、新生銀行の会員プログラムである「新生ステップアッププログラム」のリニューアル内容を紹介しました。今回のリニューアルで新生シルバーのランクが新設され、新生シルバーの条件がかなり緩く設定されていることで、より多くの方がシルバーにランクアップするのではないでしょうか。

自身もラグジュアリーカードを手放した後の会員ステータスが新生スタンダードになることを恐れていましたが、今回のリニューアルにより新生シルバーを獲得でき、そしてATM出金手数料ゼロ円と他行宛振り込み手数料の無料化(月3回まで)の優遇を受けることができると分かり安心しました。