ANAホールディングスの2018年3月期第3四半期までの決算発表が2月1日に行われました。第3四半期までの売上や利益は、昨会計気のそれよりも上回る数値となりました。一方で、増収増益でありながらも株価は低下、という結果になりました。

既にANA株を持っている人にとっては、株価の低下は残念な結果ですが、ANA株をまだ保有していない人にとっては買い時とも言えます。この記事では、今回のANAホールディングスの決算発表の話と、今後のANA株に関するスケジュールについてお伝えします。

決算発表

売上・利益のサマリー

2月1日に発表のあった「売上」「営業利益」「経常利益」「当期利益」は下記のようになりました。

項目 2017年3月期 3Q 2018年3月期 3Q 前期比
売上高 1,331,777百万円 1,490,843百万円 +11.9%
営業利益 130,225百万円 165,966百万円 +27.4%
経常利益 124,227百万円 163,872百万円 +31.9%
当期利益 86,562百万円 152,959百万円 +76.7%

売上から当期利益までどれをとっても前期比でプラスとなっています。対予想比で見ても、2017年11月に本決算の会社予想を140,000百万円から150,000百万円(どちらも経常利益)に上方修正したものの、その情報修正した経常利益を9ヶ月で越えてきました。

なお、決算短信は、ANAホールディングス 2018年3月期 第3四半期からダウンロードすることができます。

セグメント別概況

決算短信では、セグメントとして「航空事業」「航空関連事業」「旅行事業」「商社事業」「その他」の5セグメントに分けて、売上や営業利益の状況が公開されています。これらのうち、ANAホールディングスの主力セグメントにあたる「航空事業」が売上高で13%の成長を、営業利益で27.8%の成長を記録しています。主力事業がちゃんと成長しているのを見ると、安心しますね。

また、航空事業を「国内線旅客」「国際線旅客」で分けてみてみましょう。「国内線旅客」による旅客収入は昨年比で+2.4%と僅かな上昇に留まっています。一方で「国際線旅客」を見てみると、旅客収入が昨年比で+15.2%を記録しています。旅客数も同様に国際線では+7.2%ということで、ANAホールディングスの成長を支えているのは「国際線旅客」の成長と言えそうです。実際、2017年後半は、「羽田〜ジャカルタ線」「成田〜ロサンゼルス線」の増便や、マレーシア線の新運賃設定などが行われました。

株価の変動

先述したように、今回の第3四半期までの決算は順調な数値のように見えますが、株価にはどう反映されたのでしょうか。次の株価グラフの一番右が決算発表翌日の株の動きになります。

決算発表の前日は、4,528円となっていたのですが、決算発表の翌日に大きく値を下げて、結果184円安の4,344円に落ち着きました。売上・利益は、昨年比も予想比も順調に推移しているように見えますが、それでも株価は下がってしまいます。今回のケースでは、売上・利益が順調に推移しているものの、今回のタイミングで予想値の上方修正が行われなかった点がネガティブに反映したものと考えられています。

一方で、株価が下がった今こそ、株を購入するチャンスと言えます。特に、3月末は、後述する「株主優待」「配当金」「株主総会」の3つの権利を手に入れるための重要なタイミングになります。

参考までに過去5年間の株価の推移をみてみましょう。

2013年ごろは1株2,000円前後だったものが、今では1株約4,500円ほどと2倍以上に成長しています。ちなみに、自分は2016年7月ごろの株価が2,800円前後だったときに、株主優待目当てで200株だけ取得しましたが、3,000円を越えたあたりで売ってしまいました。そのまま持ち続けていれば良かったな、と思っています。今後、この株価がどのように動くかは分からないので、自己判断になりますが、今後の成長を見据えて今のタイミングで株を買っておくのもアリかな、と思います。

今後のANA株に関するスケジュール

3月末は、株を保有することで得られるメリットの多いタイミングとなります。順に見てみましょう。

株主優待

ANAホールディングス株の次回の株主優待は、3月です。3月27日が権利付最終日となっており、株主優待を狙う場合はこの日に株を100株以上保有しておく必要があります。

ANAホールディングス株の株主優待は、既に知っている人も多いと思いますが、国内線のANA路線が1区間割引運賃で利用できるようになる「株主優待券」が送られてきます。また、あまり知られていませんが、ANAグループの優待券として「ANA関連のホテルの宿泊割引券」「国内・海外ツアーの割引券」「ゴルフ場の割引券」なども貰うことができます。

2018年3月27日が権利付最終日で、2018年5月末に優待券が送られてきます。

配当金

今のところ、配当金は1株あたり60円の配当金が予定されています。基本的に、ANA株は100株単位(=1単元)での購入になるので、1単元で6,000円の配当金になります。

この配当金も2018年3月27日が権利付最終日になる予定で、2018年6月下旬に配当金の振込が行われる予定です。

株主総会

株主総会への参加権もこのタイミングで株式を保有している方に与えられます。100株であっても保有していれば、ANAホールディングスの株主であることに変わりないので、2018年6月上旬に株主総会への招集状が送られてきて、2018年6月下旬の株主総会に参加することができます(もちろん、参加を辞退することもできます)。

株主総会に参加してみたい方は、2018年3月27日が権利付最終日になる予定なので、このタイミングで100株以上保有するようにしましょう。

まとめ

ANAホールディングスは、3月末が配当金ならびに株主優待の権利付最終日に設定されています。こういった銘柄は、権利付最終日が近づくにつれて、どんどん株価が上昇していくことが見込まれます(とはいえ、権利付最終日の翌日には大きく下落しますが)。

ちょうど、決算発表により株価が大きく値を下げた今が、ANAホールディングス株の買い時と言えるかもしれません。