2018年6月28日に、品川にあるグランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」にてANAホールディングス株式会社の定時株主総会が開催されました。私もわずか100株ですが、ANAホールディングスの株式を保有していたため、株主総会に招集され、行ってまいりました。

この記事では、そんなANAホールディングス株式会社の定時株主総会の様子を紹介したいと思います。

開催概要

  • 開催日時: 2018年6月28日(木) 10:00〜12:00(受付開始: 8:30)
  • 開催場所: グランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」
  • 参加人数: おおよそ2,000〜3,000名
  • 全株主数: 147,299名
  • 全議決権: 約213万権

場所は品川駅から徒歩10分程度、6月とはいえ既に暑い日が続いているので、駅から10分歩くのは非常に大変です。また、総会の開始時刻は10:00ですが、受付開始は8:30と非常に朝早いところに驚きました。

報告事項と決議事項

報告事項

報告事項は、2018年3月期の事業報告がメインで、それに補足する形で2019年春に就航予定のホノルル線A380の事業戦略の説明が行われました。事業報告については動画を使って分かりやすく説明してくれました。

内容的には前期比で増収増益という結果になりました。増収増益とはいえ、その要因としては、Peach Aviationを連結子会社にしたことによる影響が大きいとのことでした。セグメント別で見ると、航空事業ならびに航空関連事業、商社事業では前期の数値を上回っている一方で、漁港事業については前期と比べ微減となりました。

決議事項

決議事項としては次の3点です。

  1. 剰余金処分の件(具体的には株主への配当金について)
  2. 取締役10名選任の件
  3. 監査役1名選任の件

内容としては、株主総会のスタンダードとも言えるような決議事項となります。取締役や監査役についても、新任ではなくどれも再任人事となります。

質疑応答

事前に株主から寄せられていた質問「パイロットの育成と確保」についての回答から始まり、その後場内からの質問を受け、それに対しANAホールディングスの役員の方が回答されていました。

質疑応答の時間は全部で約1時間あり、16件の質疑応答が行われました。この質疑応答のルールとして、「質問時間は1人3分まで」「質問は1人1件まで」という説明がされ、実際に複数の質問を行おうとする人がいた場合は議長による制止が行われ、ルールを守る姿勢が良かったです。ここで出た質問内容については以下になります。

  • A380の整備体制について。
    • 運航以外については外部の航空会社や業者による整備を検討中。
  • 2020年のオリンピックに向けた取り組みについて。
  • MRJのローンチカスタマーであるが、ローンチが遅れている件について。賠償やリスク管理など。
    • 2018年5月に、2020年の納入は問題ないという連絡を受けている。
    • 他の機材の追加発注や退役延期などの準備は行っているのでリスク管理はできている。
  • 首都圏発着枠の増加に関連して、ANAの取り分や航路の安全性や騒音問題について
    • 発着枠の取り分はこれから決まる。
    • A320neoなどの騒音の少ない機体を増やすことで騒音対策を行う
  • 会長が三菱重工の監査役を兼務しているが利益相反じゃないのか?
    • 監査役であり業務執行を行うわけではないので問題ない
  • ホノルル線A380に関するソフト面の戦略
  • 社内業務の改善体制について(バゲージドロップの改善や領収書の宛名など)
  • SFCについて改悪の予定はあるか
    • 改悪は考えていない
  • 那覇のLCCターミナルの利便性が悪い
    • 就航要望が多かったがメインターミナルに空きがなかったため、暫定対応として今の貨物ターミナルを利用している
    • メインターミナルのリニューアルに合わせて、貨物ターミナルからメインターミナルに移動する
  • 訓練の実施状況について。
  • 印刷物に空港コードを記載して欲しい
  • 客室乗務員の教育に関して
  • 株主総会の参加者への、お土産を復活してほしい
  • 取締役会のダイバーシティに関して
    • 社外取締役を多く設置している。今は3名
  • 国内貨物の営業状況について
  • 配当性向の引き上げ
  • ROEについて

この中で面白かった点としては、LCCに関する情報です。LCC就航から5年間の搭乗回数を人別で集計すると、一番多く搭乗している人は5年間で368回の搭乗をしている、とのことです。5年間で368回ということは、ほぼ毎週搭乗している計算になります。この人は単身赴任をしている人で毎週実家に帰るためにLCCを利用しているということでした。他にも台湾の女性の方が毎月沖縄のエステに通うためにLCCを利用していたりと、LCCが就航することで、今までは実現できなかったようなライフスタイルを送ることができる、ということでLCCへの期待を改めて感じました。

展示会

展示会では、

  • A380のホノルル線塗装が施された3つの模型
  • A380で使われるビジネスクラスの座席体験会
  • A380のカウチ席の展示
  • ANAで今後使われる予定のAVATAR INの展示・体験デモ

などがありました。ビジネスクラスの座席体験会には常時10名くらいの待機列ができていて、人気の高さを感じられました。もしかしたら、実際の機内でビジネスクラスに乗ることができないと思っている人たちが一度はその座席を体験するために並んでいるのかな、と思っています。マイルを貯めれば乗ることは簡単なのに。。。



まとめ

今回は、ANAホールディングス株式会社の定時株主総会に招集されたため、参加してきた総会の様子をご紹介しました。今まで知らなかったことを知ることもできるので、今後も機会があれば参加したいな、と思います。