9月末に、所要で軽井沢に行く機会がありました。帰りの新幹線のチケットを購入するときに「グランクラス」の存在を思い出し、空席があるか確認したところ、軽井沢から上野までのグランクラス座席は余裕がる、ということだったので、急遽普通席からランクアップしてグランクラスに乗ることにしたので、その時のレポートを行います。

JR東日本の新幹線座席ランク

東海道新幹線を始めとする日本の多くの新幹線で利用可能な座席の種類は、「普通車自由席」「普通車指定席」「グリーン席」となっています。しかし、実はJR東日本は、2011年以降「グリーン席」よりさらに上のランクに当たる「グランクラス」という座席を販売し始めました。以降、現時点で東北・北海道新幹線、北陸・長野新幹線においてグランクラスを利用することが可能になりました。

グランクラスのハード面のクオリティ

飛行機国際線で例えると、新幹線グリーン席は国際線ビジネスクラスに相当し、グランクラス席は国際線ファーストクラスに相当すると言われています。とはいえ、実質的な座席のクォリティとしては、フルフラットになるわけでもないので、国際線ファーストクラスというよりも、実質的な座席のクォリティは、ANA国内線のプレミアムクラス(もしくはJAL国内線のファーストクラス)をイメージしてもらえるといいと思います。

座席数は、1列車に対して1車両のみがグランクラスになっており、座席は3列(2列+1列)で計18席が配置されています。新幹線の普通席の場合は、1車両あたりの座席数は60〜100席となっているため、いかに広々とした座席になっているかが分かると思います。

座席近辺の設備としては、

  • 電動リクライニング
  • ダイニングテーブル、カクテルテーブル
  • 読書灯
  • 電源用コンセント
  • コールボタン(アテンダントの呼び出しボタン)

などがあります。特に電動リクライニングは、シェル型になっているので、後ろまでめい一杯倒しても後ろの席の方に迷惑をかけることはありません。

また、東京駅から乗車する場合は、東京駅八重洲中央口の改札口向かいにあるグランクラス利用客専用のラウンジ『ビューゴールドラウンジ』を利用することが可能です。ラウンジ内では、ソフトドリンクやお菓子類が提供されており、乗車前から最高級のおもてなしを受けることができます。

グランクラスのソフト面のクオリティ

一部のグランクラスにおいては、「シートのみの営業」となっているものがあり、その場合は、以下のアテンダントによるサービスは受けられません。

しかし、アテンダントによる営業を実施している列車であれば、グランクラス専任のアテンダントが乗務しており、無料の軽食サービスや、ドリンクをオーダーすることが可能となっています。軽食は、上り・下りでメニューが異なっており、共に出発地の食材を使った料理を楽しむことができるようになっています。

ドリンクは、ビールやワインといったアルコールや、コーヒーやアップルジュースのようなソフトドリンクのどちらも無料でオーダーすることが可能です。

東京〜新青森で利用した場合の料金

国際線ファーストクラス並みの上級感が得られるグランクラスですが、その料金も高額になっています。下記が、東京から新青森まで片道の「普通車指定席」「グリーン席」「グランクラス席」の料金表(目安)となります。おおよそ、東京〜新青森の区間では、普通車指定席に1万円を足した金額、と思っておけばいいでしょう。

座席タイプ 料金
普通車指定席 16,870円
グリーン席 21,360円
グランクラス席 26,360円

軽井沢〜東京の新幹線

軽井沢〜東京間の新幹線は、北陸新幹線で利用することができ、所要時間はわずか1時間10分ほどです。軽井沢が止まる新幹線は、「あさま」と「はくたか」の2つです。「かがやき」は軽井沢には停車しないので、注意が必要です。

また、「あさま」と「はくたか」のうち、「あさま」はアテンダントサービスなしで「シートのみの営業」となっており、「はくたか」はアテンダントサービスありで軽食やドリンクのオーダーが可能となっています。そのような違いもあり、「あさま」と「はくたか」はグランクラスにおいては料金が少し異なっています。

座席タイプ 料金
普通車指定席 5,910円
グリーン席 7,450円
グランクラス席(あさま) 10,240円
グランクラス席(はくたか) 12,290円

もし、グランクラスで「アテンダントサービスを体験してみたい」という場合は「はくたか」を、「最高級の座席を体験してみたい」という場合は「あさま」を選ぶのが良いと思います。

普通車指定席の料金と比較すると、高い金額になりますが、このくらいの金額であれば、東京〜名古屋間の新幹線料金(片道)と同程度になるので、「興味があり、安ければ体験してみたい」という方にはちょうどいい区間だと思います。

実際に乗ってみた

ということで、9月末ごろに、軽井沢に行く用事があったので、そのついでに帰りの新幹線をグランクラスにしてみました。本来であれば、「はくたか」を選んでアテンダントサービスを体験してみたかったのですが、ちょうどいいタイミングで「はくたか」がなかったので、「あさま」を利用しました。

シートのみの営業であることからか、長野〜東京という比較的短距離の便だからかは不明ですが、車内はほとんど人が乗っていない状態でした。おかげで、1Aの座席を簡単に抑えることができました。

まとめ

東京〜軽井沢間のグランクラスは予想以上に安く、そのクオリティにも満足することができました。とはいえ、今回体験したのは、グランクラスの「シートのみの営業車」であることと、グランクラスの本当の価値はアテンダントサービスにあると思うので、次はアテンダントサービスが行われているグランクラスに乗る機会があれば乗ってみたいと思います。