11月に、島根に旅行に行ってきました。行きは、ANAマイラーらしく出雲空港ではなく米子空港を利用し、帰りは一度乗ってみたかった寝台特急「サンライズ出雲」に乗車しました。

ANAの飛行機に乗ることとサンライズ出雲に乗ること以外の目的はなく、土曜日の昼に羽田を発ち米子入りした後、松江で宿泊し、翌日の昼に出雲まで移動し、出雲大社近辺の観光をした後、出雲駅から出るサンライズ出雲(A寝台デラックス)に乗り、翌朝(月曜)東京駅に到着し、そのまま出社する、というプランでした。

この記事ではその中の、松江から出雲までの移動で使った 観光列車「あめつち」 の様子をご紹介します。

観光列車「あめつち」とは?

「あめつち」の概要

あめつちは、山陰地方の鳥取と出雲を結ぶ観光列車です。公式JRおでかけネットのあめつち紹介ページによると、コンセプトは「ネイティブ・ジャパニーズ」と「五感で楽しむ山陰」の2つです。

「ネイティブ・ジャパニーズ」については、

山陰地方は、豊かな自然はもちろんのこと、神社、お酒、歌舞伎、相撲など、日本文化の様々なルーツがあるとされ、また多くの神話が誕生した地です。
この自然や日本のルーツを、「ネイティブ・ジャパニーズ」というコンセプトで車両にデザインし、山陰ならではの「古くて新しい日本」を発見していただく旅を演出します。

のように紹介されており、「五感で楽しむ山陰」については、

車内では、山陰の豊かな自然の中で育まれた地産品や地元に因んだお食事、お飲物などをご提供します。
大山、宍道湖、斐伊川などの見どころや、雄大な日本海を望む車窓では徐行運転を行い、山陰ならではの美しい風景をゆっくりとお楽しみいただきます。
演出やイベントの企画には地元の皆様のご協力も得ながら「山陰色」が豊かなものにしたいと考えています。

のように紹介されています。

松江から出雲という短距離の旅でしたが、実際に乗ってみると、この2つを感じることができました。

「あめつち」の運行スケジュール

実は観光列車「あめつち」は2018年7月1日に新たに運行を開始したとても新しい観光列車で、鳥取県の東側に位置する「鳥取駅」と島根県の東部に位置する「出雲市駅」の間を結んでいます。この区間は、通常は「特急スーパーまつかぜ」や「特急スーパーおき」「特急やくも」などを乗り継いで2〜3時間ほどの時間がかかる区間となっており、その乗車距離は150キロメートルを超える距離になります。

そのような鳥取駅・出雲市駅間を観光列車「あめつち」は土日祝日の観光需要のあるタイミングを狙って、鳥取行き・出雲市行きのそれぞれ1本ずつを運行しています。また、年末年始は運休していたり、年明けの運行開始が1月12日ということなので、年末年始の旅行で使いたい、というときは注意が必要です。

自分の乗った出雲行きのあめつちは、

  • 09:00 鳥取駅発
  • 09:45 倉吉駅発
  • 11:06 米子駅発
  • 11:16 安来駅発
  • 11:45 松江駅発
  • 12:47 出雲市駅着

となっており、鳥取駅行きのあめつちは、

  • 13:41 出雲市駅発
  • 14:26 玉造温泉駅発
  • 14:43 松江駅発
  • 15:22 安来駅発
  • 15:35 米子駅発
  • 16:36 倉吉駅発
  • 17:36 鳥取駅着

となっております。出雲市駅発の列車のみ玉造温泉駅に停車するような運行スケジュールになっています。鳥取駅側から乗るときは、昼頃に出雲市駅に着くので、そのあと出雲大社を観光するのにちょうどいいスケジュールになっています。

「あめつち」を利用できる主要駅

あめつちの停車駅は、「鳥取駅」「倉吉駅」「米子駅」「安来駅」「松江駅」「玉造温泉駅(鳥取行きのみ)」「出雲市駅」となっています。それぞれの位置関係は、公式JRおでかけネットの紹介ページ内の図が分かりやすいので、引用させていただきます。

こうしてみると、鳥取駅〜倉吉駅や、倉吉駅〜米子駅は長い区間を一気に走り抜けることが分かります。

乗車レポート

あめつちについては、事前に調査をしていたわけではなく、松江に到着後、翌日のプランを立てるために松江駅の時刻表を眺めていた時に、観光列車「あめつち」の情報を見つけ、興味を持ち予約した、という経緯になります。そのため、あめつちに対する事前情報はほとんどない状態での乗車となりました。

外観と内観

今まで、観光列車に乗ったことがなかったのでイメージが湧かなかったのですが、実際に乗ってみると感動モノでした。

外観は山陰の美しい空や海を表現する紺碧色を纏っており、メタリックな色彩により神々しい雰囲気担っています。エンブレムは島根県出雲市にある「株式会社吉川製作所」により製作されたものだそうです。

窓際で向かい合ってペアや4人組で座るような座席の他に、カウンター席のような座席で窓側に向いた座席も多数設定されています。自分は今回、窓側に向いた座席に座りましたが、普通に座っているだけで外の綺麗な景色を楽しむことができるように設計されていました。

また車内はいたるところに山陰地方の工芸品が飾られており、伝統工芸も楽しむことができるようになっています。

停車駅で記念撮影

今回は、松江駅から出雲市駅までのひと区間のみの乗車となりました。出発時刻の11:45に対し、11:35くらいにホームに行ったのですが、このタイミングで既に列車は入線していました。停車時間も比較的長いようで、乗客の多くは列車を降り、車体の記念撮影を行なっていたり、松江駅の方?が準備してくださっている横断幕や戦国武将の格好をした方と一緒に記念撮影をしているようでした。

観光列車の魅力とは

今まで観光列車には乗ったことはなく、あまり興味も持っていなかったのですが、今回のあめつち乗車により、観光列車に対する考え方が変わりました。

自分が乗った区間では島根県の「宍道湖」と「斐伊川」の2箇所で外の景色を楽しむために、列車は速度を落として走行しました。また、速度を落とすだけでなく、あめつちのテーマソングを車内で流すことによって、あめつちのコンセプトである「五感で楽しむ山陰」の視覚と聴覚で楽しむことができました。また今回自分は予約しなかったのですが、2,000円くらいの値段でお食事をいただくことも可能です。当然お食事は、山陰の食材をふんだんに使ったメニューとなっており味覚や嗅覚を楽しむことができるようになっています。

まとめ

今回は、2018年7月に新たに運行が始まった観光列車である「あめつち」への乗車レポートについて書きました。土日祝日にしか運行しない貴重な列車ですので、乗車する機会がある場合は一度乗ってみることをオススメしたいです。その際は、予約時にお弁当の注文も忘れないように行うと良いと思います。