夏休みを利用して、ANAマイル・アメックスプラチナカードを駆使したアジア周遊旅行に行ってきました。今回の周遊旅行は本ブログの夏休みの海外旅行を検索、たった◯◯マイルでビジネスクラスに5回搭乗できるルートを発券で紹介したチケットを使った旅行になります。以前のブログでは、特典航空券の予約のみの紹介で、どういったホテルに宿泊するのかや、具体的な観光については一切触れていませんでした。

2019年9月に実際にアジア周遊旅行を行なってきたので、その様子を順番に紹介したいと思います。本記事は、3番目の訪問都市・台湾(台北)で乗車した台湾の新幹線である「台湾高鉄」の様子を紹介します。

台湾の新幹線「台湾高鉄」とは

「台湾高鉄」の経緯

「台湾高鉄」は、2007年ごろから一部区間で営業を開始した台湾の新幹線です。この新幹線で利用されている車両は、日本の東海道・山陽新幹線で使われている700系新幹線の台湾向け改良型である700T型を利用しており、その外装や内装は日本の東海道・山陽新幹線にそっくりです。建設時の経緯から、分岐器や列車無線などは日本製ではなくドイツやフランスのものが用いられており、全体の新幹線システムとしては日欧混在となっています。とはいえ、一般の人がよく見ているのは新幹線の車両であり、そこに日本製の車両が使われているのは、日本人として誇らしいです。

「台湾高鉄」の路線区間・料金

「台湾高鉄」で2019年11月現在営業している区間は、南港駅から左営駅までの1路線・12駅・約350kmとなります。停車駅は、「南港駅」「台北駅」「板橋駅」「桃園駅」「新竹駅」「苗栗駅」「台中駅」「彰化駅」「雲林駅」「嘉義駅」「台南駅」「左営駅」となっています。この中で利用者が多いのは、「台北駅」「台中駅」「左営駅」となっており、速達列車の停車パターンもこれが反映されています。

北側の始発駅が台北駅ではなく、南港駅となっています。自身が利用した時、「南港駅〜台北駅」区間を乗車している人はほとんどいませんでした。これはおそらく、台北駅を始発駅としてしまうと、台北駅での折り返し運転が必要になってしまうことが理由だと思われます。通常、折り返し作業を行うには、通常の停車と比べて多くの時間を要します。そのため、基本的に折り返し運転を行う駅には多くのプラットフォームが必要になります。また、時間帯によっては車両基地への回送も必要になります。実際、台北駅では2面4線の構造になっているのに対して、南港駅では3面6線の構造になっていることと、その奥にも引込み線があるため、台北駅よりも長時間、列車を駅に置いておくことが可能になります。台北駅ではそのような土地を確保することが難しかったことから、台北駅よりも北に駅を作り、その駅で折り返し作業を行なっているように思います。

料金は、今回私が乗車した台北駅から台中駅の区間(乗車時間は約1時間の距離)では、一般車両がNT$700(日本円で約2,500円)、ビジネス車両がNT$1,250(日本円で約4,500円)となっています。Wikipediaに記載されている金額と異なっている部分もあるようなので、実際に乗車する際は、ご自身の責任でご確認ください。

日本の新幹線の料金と比べると格安で乗車することが可能です。

「台湾高鉄」の車両

台湾高鉄で用いられている車両は、日本のJR東海・JR西日本が共同で開発した700系の改良型となっています。700系は、東海道・山陽新幹線で使われている車両(厳密には現在の東海道・山陽新幹線で用いられているのは、N700AやN700Sなど)です。製造しているのは、「川崎重工業」「日立製作所」「日本車輌製造」であり、日本の新幹線製造技術がしっかり使われています。

1編成は12両で、定員は989人、全長約304mとなっています。日本の東海道新幹線の場合、1編成が16両、定員は1,323人、全長約400mとなっています。台湾の新幹線の方が1編成あたりの車両が少なくなっていますが、1車両あたりの定員数や全長は日本も台湾もほとんど同じになっています。

色は白色の背景にオレンジの線が入った車両になっています。日本製の車両とはいえ、日本で走っているどの新幹線のデザインとも異なっています。

車両の座席クラスは、普通車両とビジネス車両の2つ。日本でいうグリーン車(席)に相当するものが「ビジネス車両」となっています。また、普通車両は、自由席と指定席があり、自由席は3車両分設定されています。12の車両の内訳で見ると、1車両がビジネス車両、3車両が普通車自由席、8車両が普通車指定席となっています。

台北駅から台中駅「ビジネス車両」

台北駅から台中駅へは、列車番号137の「ビジネス車両」に乗車しました。日本の新幹線では同じ東海道新幹線に対しても「のぞみ」「ひかり」「こだま」のように、列車の停車パターンに応じた愛称が割り振られていますが、台湾の新幹線では愛称は割り振られておらず、列車番号のみで管理しているようです。自身が乗車した列車番号137の列車は、速達列車に区分されるもので、南港駅からの停車駅は、台北駅、板橋駅、台中駅、左営駅となっています。

ビジネス車両の新幹線の車内は、2+2列の座席パターンで、横は広々と使うことができます。また、十分な角度のリクライニングの他にフットレストや読書灯、電源コンセントが付いています。座席のテーブルは前の席の背もたれ部分から取り出す形になっており、十分な広さがあります。

ビジネス車両に乗車して、新幹線が出発ししばらく経つと、グリーンアテンダント(ビジネス・アテンダント?)の方がやってきます。日本では、グリーン席を利用する方にはおしぼりのサービスがあります。台湾高鉄の場合は、ビジネス車両を利用する方には、おしぼりのサービス以外に、ドリンクと茶菓子のサービスがあるようです。

日本の新幹線グリーン車と同じで、座席は半分も埋まっていないくらいの混み具合でした。実際、自身は窓側の座席を選びましたが、台北駅から台中駅までの間、隣には誰も座ることはありませんでした。

台中駅から台北駅「普通車両」

台中駅から台北駅へは、列車番号658の「普通車両」に乗車しました。列車番号658は、各駅停車タイプの停車パターンの列車です。

普通車両の新幹線車内は、2+3列の座席パターンとなっています。上の写真が、普通列車の車内の様子ですが、台湾の新幹線なのか、東海道新幹線なのか、写真だけでは判別をつけることは難しそうです。

座席の混み方は、こちらも日本の新幹線普通車と同様です。今回利用したのは指定席でしたが、平日の夕方ごろの時間であったにも関わらず、座席の8割くらいが埋まっている状態となりました。おそらく、自由席の場合は満席かと思われます。

日本の東海道新幹線との類似点と違い

他にも類似点・違いがあるとは思いますが、自身が利用した時に気づいた点をまとめてみました。こうしてみると、日本の東海道新幹線との類似点が多いことに改めて気付かされます。

類似点

  • 普通車両、ビジネス車両ともに、座席パターン(2+3、2+2)が同一である
  • ビジネス車両にフットレストや読書灯が設置されていること
  • ビジネス車両の利用時におしぼりが配られる点
  • 普通車自由席、普通車指定席、ビジネス車両という3つの座席区分
  • 設定されている普通車自由席の車両数
  • 内装・外装共に新幹線の全体的なデザイン

違い

  • ビジネス車両の利用時に、飲み物と茶菓子のサービスがある点
  • ビジネス車両の車両数

まとめ

今回は、台湾に旅行に行った際に利用した「台湾高速鉄道」(通称、台湾高鉄)の様子をご紹介しました。日本の新幹線技術が用いられており、日本とそっくりの新幹線を利用することができますので、台湾に行った時には是非、利用してみてください。高雄などのある台南エリアも新幹線であれば気軽に移動することも可能です。